神経グループ

グループ概要

小児神経グループでは小児の脳、神経、筋肉の分野を主に担当しています。てんかん、筋疾患、変性疾患、末梢神経疾患、先天異常症、自己免疫性疾患から、頭痛、神経発達症、起立性調節障害まで幅広い小児神経疾患の診療を行っています。特に、薬剤で発作が治まらないてんかんに対する特殊治療や、通常の検査では診断が難しい希少な遺伝性神経疾患・筋疾患の診断や診療に力を入れています。多様な病気を持った子どもたちに対して、さまざまな診療科と連携しながら、疾患のみならず、成長や発達を含めて総合的に支援しています。また、小児神経領域におけるまだ満たされていないニーズを満たすべく、日々研究にも取り組んでおります。

対象疾患/診療内容

診療案内

適切な担当医を受診していただくために、かかりつけの先生に紹介状を記載していただき、地域連携室を通して予約してください。
  • 小児神経外来:吉田健司(月・金)・横山淳史(月・木)
  • 遺伝療育外来:川崎秀徳(遺伝子診療部)

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診療の特徴

てんかん診療

てんかんは約100人に1人の頻度の高い疾患です。多くの患者さんは適切な薬剤で発作を抑えることができますが、約3割の患者さんでは薬剤が効きにくいことがあります。私たちは、てんかんに対する内服治療だけでなく、薬剤のみでは発作が抑えられない患者さんに対して、長時間ビデオ脳波モニタリング、脳磁図(脳磁図についてはこちらをご参照ください)、FDG-PETなどを用いた適切な診断を行っています。脳神経内科、脳神経外科、放射線科、精神科の医師と合同カンファレンスを行い、頭蓋内電極留置による正確な診断、てんかん焦点摘出術による根治療法、脳梁離断術や迷走神経刺激療法による緩和療法、ケトン食療法などを積極的に行っています。また、当院では、診療科の垣根を越えて、てんかん患者さんの包括的で効率的な診療と支援を行うために、2018年11月にてんかん診療支援センターが設立されました。さらに、2022年12月には当院が京都府てんかん支援拠点病院に指定され、ますますてんかん診療に対して病院全体で精力的に取り組んでまいります。
また、京都小児てんかんコホート研究(PECK)では、京都府の小児てんかんの現状を把握し、より適切な診療につなげるために、京都府下の小児てんかん診療施設の医師が共同で調査研究を行っています。

てんかんに役立つ各種資料
peckロゴ

難病・希少疾患に対する網羅的遺伝子診断

遺伝子検査技術の進歩によって、一度に多くの遺伝子を解析できるようになってきました。神経グループでは、研究の一貫として、通常の検査では診断がつかない患者さんに対して次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を行い、難病・希少疾患の適切な診断を目指しています。遺伝子検査によって適切な診断がつくことは、その後の治療につながる可能性もあり、成長・発達・合併症などをより正確に見通すことで適切な支援計画を立てやすくなるといった点で、患者さんやそのご家族にとって役に立つと考えられます。家族・血縁者にも関わる重要な遺伝情報を取り扱うことにご不安を感じられる場合は、遺伝カウンセリングなどの患者さんとご家族を支援するための体制も整えており、いつでもご相談いただけます。

主な対象疾患

てんかん、先天異常症候群、神経変性疾患、脊髄・筋肉・末梢神経の病気、発達・睡眠の問題など、幅広く対応しています。詳しくは、本ページの末尾をご参照ください。
 

てんかん

早期ミオクロニー脳症、大田原症候群、ウェスト症候群、Lennox-Gastaut症候群、ドラベ症候群、Doose症候群、中心側頭部棘波を示す自然終息性てんかん(SeLECTs)、小児後頭葉てんかん、欠神てんかん、若年ミオクロニーてんかん、内側側頭葉てんかん、ラスムッセン脳炎、皮質形成異常や片側巨脳症に伴うてんかん、神経皮膚症候群に伴うてんかん、その他遺伝子異常に伴うてんかん/てんかん性脳症、進行性ミオクロニーてんかん、
など、新生児期・学童期・思春期のあらゆるてんかん症候群に対応いたします。
 

結節性硬化症

結節性硬化症(TSC)は全身のさまざまな臓器に、年齢に応じて多彩な症状が現れます。私たちは京都大学医学部附属病院の他の診療科と院内会議(TSCボード)を定期的に開催し、連携しながら結節性硬化症患者さんの診療を行っています。
 

小児四肢疼痛発作症

小児四肢疼痛発作症は、秋田大学、京都大学などの共同研究グループにより、2016年に確立された東北地方に多い疾患です。近年、全国に未診断の患者さんがおられることがわかってきました、国内の患者さんの実態を把握するために、2019年から研究班を立ち上げ、調査をすすめています。
小児四肢疼痛発作症サイト

 

先天異常症候群

染色体や遺伝子異常に伴う症候群(アンジェルマン症候群、ダウン症候群、レット症候群など)など、全般的に診療いたします。
 

脳の先天異常

水頭症、脳回形成異常(滑脳症、多小脳回、厚脳回など)、全前脳胞症、裂脳症、小脳形成異常(ジュベール症候群など) など
 

神経変性疾患

大脳白質変性症(副腎白質ジストロフィーなど)、脊髄小脳変性症、遺伝性ジストニア、脳に鉄沈着を伴う神経変性症 など
 

脊髄の病気

二分脊椎、横断性脊髄炎、急性弛緩性麻痺 など
 

筋肉の病気

デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、筋強直性筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、福山型ジストロフィー  など
 

末梢神経・神経筋接合部の病気

遺伝性運動感覚ニューロパチー(Charcot Marie-Tooth症候群)、慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー(CIDP)、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症 など
 

先天性代謝異常症

ミトコンドリア異常症、ライソゾーム病、ペルオキシソーム病、神経セロイドリポフスチン沈着症、ムコ多糖異常症、銅代謝異常症(Menkes病など) など
 

神経系の感染・免疫疾患

急性脳炎・脳症、髄膜炎、視神経脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、多発性硬化症 など
 

神経皮膚症候群

結節性硬化症、神経皮膚黒色症、スタージ・ウェーバー症候群、神経線維腫症 など
 

発達の問題

知的発達症、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症 など
 

その他

頭痛、睡眠障害(ナルコレプシーなど) など

研究内容

小児神経グループでは、以下のような基礎研究および臨床研究を行っています。

神経疾患・筋疾患のiPS細胞を用いた研究

日本国内の中心施設(iPS細胞研究拠点)の一つとして、さまざまな神経疾患、筋疾患、遺伝性疾患の患者さんにご協力いただき、iPS細胞を用いた疾患病態研究を行っています。iPS細胞を用いて、乳児型Pompe病、福山型筋ジストロフィー、ミオチュブラーミオパチー、脊髄性筋萎縮症等の疾患モデルの確立や病態解明、新規治療法の開発を目指して、日々研究を重ねています。

網羅的ゲノム解析の応用

難病・希少疾患に対する網羅的ゲノム解析において同定した遺伝子の変化に対して、患者さんの皮膚細胞やiPS細胞から分化した組織などを用いて、遺伝子の機能解析を行っています。それらを通じて遺伝子と疾患との新たな関連性の解明や、新規の遺伝性疾患の発見を目指した研究を行っています。

脳機能研究

ヒト用7テスラMRI装置を用いて、神経発達症やさまざまな遺伝性疾患における高次脳機能の病態解明研究を行っています。その他、リハビリテーション部のスタッフとの共同研究、内外のさまざまな部署や施設と多くの共同研究を行っています。

教育・研修内容・キャリアアッププラン

神経グループの1週間の体制

 
第1週 てんかん合同C
(週は変更あり)
    輪読会
脳波C
リハビリテーションC
神経グループC
第2週 小児科研究C     輪読会
脳波C
神経グループC
第3週 TSCボード     輪読会
脳波C
神経グループC
第4週 小児科研究C     輪読会脳波C 神経グループC
小児神経症例検討会
  • 神経グループカンファレンス(週1回):入院・外来症例の振り返りや治療方針の検討、学会発表予演会や論文抄読会を行っています。
  • 脳波カンファレンス(週1回):外来脳波や、入院での長時間ビデオ脳波の検討を行っています。
  • 読書会(週1回):小児神経に関連した英文教科書や疾患レビューの輪読をしています。
  • てんかん合同カンファレンス(月1回):脳神経内科、脳神経外科、放射線科と合同で、てんかん外科手術適応を詳細に検討します。
  • TSCボード(隔月):他の診療科と合同で結節性硬化症の院内診療連携を行っています。
  • リハビリテーションカンファレンス(月1回):作業療法士・理学療法士・心理士などのリハビリスタッフや児童精神科医と合同で症例の検討を行っています。
  • 小児神経症例検討会(月1回):京都府立医科大学の小児神経グループや近隣の小児神経科医と合同で症例の検討をしています。

当院で取得できる専門医資格

小児神経専門医研修認定施設
日本てんかん学会認定研修施設
臨床遺伝専門医研修認定施設
に認定されています。小児神経専門医、てんかん専門医、臨床遺伝専門医の取得に加え、学会発表、論文作成のサポートをします。

メッセージ

私たちと一緒に働いてくださる若手医師・大学院生の方を募集しています。ぜひお気軽にご連絡ください。