グループ代表者:馬場 志郎(ばば しろう)
・小児循環器専門医修練施設 ・小児循環器修練施設群代表施設 ・胎児心臓病学会認定胎児心臓超音波施行施設 ・成人先天性心疾患専門修練施設 ・心房中隔欠損閉塞栓使用施設 ・動脈管閉塞栓使用施設 ・経皮的肺動脈弁置換術実施予定施設(プロクタリング中) ・RFワイヤー使用認定施設
小児科循環器グループは、生まれつき心血管に異常がある先天性心疾患患者さんの他、不整脈,心筋症、肺高血圧,川崎病などの後天性心疾患患者さんも数多く診療しております。また成人期に達した先天性心疾患患者さんのフォローや胎児心エコー、胎児不整脈や胎児心不全に対する母体治療、他疾患(新生児疾患、血液腫瘍疾患、免疫疾患、神経筋疾患、肝疾患、肝移植、肺移植など)患者さんに合併する心血管疾患の診療にもたずさわっています。
特に他の小児循環器専門修練施設で経験できない特徴としては、一般臨床レベルでは診断できない(医学部研究施設でしか診断できない)様々な小児疾患に合併する心血管疾患を経験いたします。また京都大学病院の特徴として小児の肺移植、血液型不適合の高難度の肝移植なども行っており、小児循環器の立場から手術適応の決定や入院中、手術前後の循環管理、ICU管理を行っております。よって、病院内のカバーエリアは小児科医の中で最も広く、小児科病棟(小児外科含む)は当然ながら、NICU、GCU、ICU、心臓血管外科病棟、成人循環器病棟、肺高血圧病棟、肝胆膵移植外科病棟、呼吸器外科病棟(肺移植病棟)などで診療、カンファレンスを行っています。
以上の紹介のように、他の小児循環器専門修練施設では決して経験できない、小児循環器専門医としてレベルアップするために必要な幅広い診療経験ができると思います。
入院症例は多彩で、心臓カテーテル入院はもちろんながら、心不全、心筋症、心筋炎、肺高血圧症を含めた心不全治療(胎児心不全評価、管理は産科からの依頼)、不整脈管理(胎児不整脈管理は産科からの依頼)、新生児や乳児心疾患、画像検査、肺移植・肝移植前後の循環管理などを受け入れています。 近年の医療圏の拡大により、今後は更にカテーテルインターベンション症例、新生児緊急搬送症例の増加が見込まれます。2020年にプロクタリングが終了し、2021年からカテーテルによる心房中隔欠損(ASD) 閉鎖栓治療施設認定されました。また最新のエコー機器を小児科、エコー検査室 各々専属で2台購入しました。これにより、現在 小児科単科で所有する心エコー機は5台となり、さらにレベルアップが見込まれます。 最近の入院疾患内訳、カテーテル件数、週間予定表はこちらをご覧ください。
先天性心疾患、不整脈、心筋症、肺高血圧症、他疾患に合併する心疾患フォロー、胎児エコーなどを中心に、月曜日、水曜日、金曜日に外来を行なってい ます。鎮静の必要ない小児の画像検査も外来レベルで行なっています。平均外 来患者数は、週 60〜70 人程度(月:30〜45 人、水:10 人、金:15〜20 人) です。
外来担当表はこちらをご覧ください。
一定年数小児科を経験し、且つ小児循環器をはじめて経験する先生。または小児循環器専門病院研修終了直後の先生を年間1〜2名受け入れています。
スタッフ数が多くはありませんが、1人当たりの経験症例数は十分確保できると思います。チーム医療を行なっておりますので、1〜2年の経験でほぼ全ての症例をまんべんなく経験できます。また研究に興味がある先生方も大学院として受け入れており、再生医療を中心とした基礎研究を20年以上継続しております。
やる気がある仲間を随時募集しています。
京都大学病院 :小児循環器専門修練施設
大津赤十字病院:京都大学小児循環器専門修練施設群 専門修練病院
岡山県:倉敷中央病院
兵庫県:神戸市立西神戸医療センター、神戸市立医療センター中央市民病院、
兵庫県立尼崎総合医療センター
大阪府:国立循環器病研究センター、北野病院
奈良県:天理よろづ相談所病院、大和郡山病院、大和高田市立病院
京都府:京都大学病院、三菱京都病院、医仁会武田総合病院、音羽病院
滋賀県:大津赤十字病院、公立甲賀病院
静岡県:静岡県立こども病院
※下線は小児循環器専門修練施設です。
まずは一般小児科疾患の病態理解や治療ができることが基本です。
大学院1年目は小児循環器臨床を行うとともに研究テーマを考える時間にあてていただいております。
医員在籍期間や大学院1年目の臨床重点期間のうち数ヶ月から1年間、NICUでの新生児心疾患を中心に診療していただく期間をもうけています。
小児循環器医1年目の目標
1) 看護師やコメディカルを尊重し、共に仕事ができる
2) 患者や家族を尊重し、病態や検査治療方針について話し合える
3) 小児循環器疾患の基本病態を理解し、病態生理やエビデンスに基づいた議論を上級医とできる
4) 小児循環器疾患の治療が上級医と共にできる
5) NICU、ICU管理が上級医と共にできる
6) 小児循環器医に必要な手技手順を覚え、準備ができる
7) 診断カテーテル検査の流れを理解し、準備やファーストオペレーターの基本手技ができる
1年目のカテーテルファーストオペレーター目標件数は60〜80例以上
小児循環器医2年目の目標
1) 看護師やコメディカルを尊重し、共に仕事ができる
2) 患者や家族を尊重し、病態や検査方針、治療方針について説明できる
3) 病態生理やエビデンスに基づいた議論ができ、エビデンスが無い経験的治療や慣習的治療についても理解できる
4) 議論のエビデンスレベルを理解しながら上級医と議論できる
5) 小児循環器疾患の基本的治療がひとりでできる
6) NICU、ICUの基本的管理がひとりでできる
7) 小児循環器疾患の外来、入院、退院の流れや判断ができる
8) 小児循環器医に必要な手技を上級医指導のもとにひとりでできる
9) 診断カテーテル検査の準備やセカンドオペレーターの基本手技ができる
10) 治療カテーテルの手伝いができる
小児循環器医3年目の目標
1) 看護師やコメディカルを尊重し、共に仕事ができる
2) 患者や家族を尊重し、問題が起こった場合の説明や対処ができる
3) 小児循環器疾患の治療がひとりでできる
4) NICU、ICU管理がひとりでできる
5) 小児循環器疾患の外来フォローがひとりでできる
6) 小児循環器医に必要な手技をひとりでできる
7) 診断カテーテル検査の準備やセカンドオペレーターができる
8) 心臓カテーテル検査の適応やプランが上級医とともにたてられる
9) 治療カテーテルの準備や手技が上級医とともにできる
10) 緊急カテーテル検査や治療の手伝いや手技を上級医とともにできる
11) 他疾患(肺移植、肝移植、悪性疾患、術前症例など)の循環管理ができ、主診療科と議論ができる
12) 胎児心エコー、投薬による胎児治療や分娩時期の決定が産婦人科医師とともにできる
小児循環器医4年目以降の目標
1) 上記1〜3年目目標で達成できていなかった目標を達成する
2) 小児循環器専門医取得の準備かつ取得を目指す
3) 将来のキャリアアップについて上級医と相談、議論する
小児循環器研究グループは大学院生を中心に心臓血管発生,再生医療研究、細胞死などの研究を行っています。以前はマウス、近年はヒトの胚性幹細胞(ES細胞)、人工万能細胞(iPS細胞)を用いた研究を中心に心筋発生のメカニズム解析、心筋分化効率の検討、分化心筋の解析、細胞移植治療の評価、不整脈研究などを行っています。また、心臓血管研究の研究者だけでなく、心臓血管研究以外の研究者と積極的に交流、意見交換して、実験手技の獲得、研究方針の決定などを行なっています。また、大学院生時代に可能であれば筆頭執筆者としての研究英文論文2本(以上)を目指しております。また、大学院1年目の病棟業務従事中も、臨床研究テーマの英文論文1本(以上)、または症例報告の英文論文1本以上を目指しております。
最近の研究テーマ、英文研究論文、受賞歴はこちらをご覧ください。
1) 一般細胞培養(マウス、ヒトの一般細胞、ES細胞、iPS細胞など)
2) 細胞分化培養
3) HE染色、メイギムザ染色、Masson-Trichrome染色など
4) 発色系免疫染色、蛍光免疫染色、FISHなど
5) DNAやRNA取り扱い、PCR法、RT-PCR法、qPCR法
6) PCRプライマー設定、シークエンス解析
7) Western blotting法
8) FACS、FACS解析、FACS Sorting
9) CRISPR/Cas9 システムによる遺伝子改変
10) 心筋電気生理(細胞外電位測定)、パッチクランプ法(生理学教室との共同)
11) 細胞内Caイメージング
12) テラトーマ作成
13) マウス飼育、マウスの解剖、組織評価
14) マウスに対する採血や注射による薬剤投与、細胞注入
15) マウスの心エコー、マウスの体表心電図
16) マウスの心臓カテーテル検査(右心系,左心系)
17) マウスの挿管、人工呼吸管理、全身麻酔管理
18) マウスの開胸手術、開腹手術
19) マウスの心筋症作成(アドリアマイシン使用)、心筋梗塞作成
20) マウスの心筋内細胞移植
その他、
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