グループ代表者:河井 昌彦(かわい まさひこ)
京都における最終拠点病院として、超低出生体重児などの早産児や低体温療法を必要とする重症仮死出生児等に加えて、他院では対応できない外科治療を要する先天性心疾患や小児外科疾患を積極的に受入れ、24時間体制で高度な治療を提供しています。 2019年には京都府の総合周産期母子医療センターに認定され、さらに新病棟に移転しNICUを増床します(9床→12床)。これまで以上に多くの重症な母体・新生児を受け入れ、高度な医療を提供できる体制となります。また、診療レベル向上のために専門医師育成や講習会開催などの各種教育活動や臨床研究を活発に行っています。
外科疾患・心疾患を含め多様な疾患に対して、日本における標準的かつ高度な医療を提供するとともに、研修医・専門医の育成に注力しています。当センターは日本周産期新生児医学会専門医研修基幹施設に認定(専門医詳細はこちら)されており、現在は指導医を含め新生児専門医が5名在籍し専門医研修医師とともにスキルアップを図っています。日々の診療における定期的な診療検討会はもちろんのこと、診療に用いる先進的医療機器(人工呼吸器、モニタリング機器やMRI等)が充実しており、臨床から得られる情報解析などを行い教育的・学術的活動を精力的に推進しています。さらに、当施設常勤医師でも希望者には国内外を問わず他の周産医療施設での研修を勧めており、更なる専門的手技獲得や先進的医療の取入れを積極的に進めています。
一方で、当院での新生児医療研修受入れは、全国の多くの施設から短期・長期ともに受入れを行っています(スタッフ募集はこちら)。各人のニーズに合った研修内容アレンジも可能ですのでご興味のある方は河井 (masahiko*kuhp.kyoto-u.ac.jp) までご連絡ください。志のある仲間を随時募集しています。※メールをいただく場合は「*」を「@」に変えてお送りください。
なお2018年から医学生や初期研修医向けにもシミュレーション教育プログラム(胸腔穿刺や骨髄針挿入など高度な医療手技を含むハンズオンセミナーなど。2018年の講習会の様子はこちら)を展開し、希望者には学会公認の新生児蘇生法認定資格の得られる講習を開催しています(2018年の講習会の様子はこちら)。これらを通じて周産期医療に携わる医療人としての知識と技術と態度を養成し、個人のスキルアップとともに患者安全のための医療体制強化を図っています。
現在の主な研究テーマは新生児の内分泌機能と発達の関わりなどで、遺伝子発現などの分子生物学的手法・ホルモンアッセイによる生化学的分析・認知行動機能評価・生体情報解析など種々の検討を行っています。新生児内分泌領域は解決すべき重要課題が未だ数多く残っていますが、当グループでは副腎皮質機能・甲状腺機能・骨代謝・糖代謝・性腺機能などの臨床研究に重点的に取り組んでおり、国内外でも先進的な役割を果たしています。最近発表した成果はこちらをご覧ください(文献リスト)。
また京都大学NICU公開セミナー・新生児内分泌研究会・小児科新生児学セミナーなどの機会を通して、新生児診療および内分泌研究に関する最新の知見を発表する事も心がけており、多施設からも多くの医師の参加を募集しています(こちら)。
なお、ICTを利用した教育システム(NICU診療遠隔支援やシミュレーション学習支援システム)の開発を行っており、京都市内NICUや産科クリニックをWeb回線でネットワーク形成し、臨床および教育に寄与するシステム構築を推進しています。またこれらによる学習効果などを医学教育の観点から検証研究しています。
また、乳汁を用いた乳がん研究に協力しています(乳腺外科等との共同研究紹介)。